初めて猫ちゃんを迎えるにあたって、どんな猫ちゃんがいいか思いを巡らせるのも楽しいひとときです。
でも実際、オスとメスどっちにしようか迷ってしまいますよね。
- オス・メスどちらが飼いやすいの?
- 性格に違いはあるの?
- 生活する上で気をつけることに違いは?
猫ちゃんの性別の違いを理解することにより、オス・メスどちらにしようか決める手がかりになりますよ。
もちろん猫ちゃんそれぞれの個体差はありますが、筆者の経験と、一般的な傾向としてどんな違いが見られるのかわかりやすく解説していきます。
性格の違い
【オス】
- おっとりしている
- 甘えん坊
- やんちゃ
- 遊び好き
- 好奇心旺盛
- 縄張り意識が強い
- 細身のメスは怒りっぽい(母猫が細身で怒りっぽい場合、体格と性格が遺伝する傾向があるようです)
【メス】
- 警戒心が強い(子猫を産み育てるためだとか。納得!)
- 独立心が強い
- ツンデレ
- お姫さま
見た目の違い
【オス】
- 顔が丸くて大きい(ちなみに未去勢の外猫オスが顔がパンパンに大きく、固くなるのは繰り返しケンカで傷を負うためです)
- ヒゲ袋がもふっとボリューミー♡
- 目が離れがち
- 筋肉質
- 骨格が大きくしっかりしている
【メス】
- 顔が小さくてシャープ
- 目が寄りがち
- 体に脂肪が多い
- 体が小さい
- 華奢
- ヒゲ袋が小さくシュッとしている
- 手足が小さい
困った行動の違い
【オス】
なんと言ってもスプレー行為
去勢していないオスは縄張り主張のため、とっても臭いおしっこを壁などに噴射させます。
オスには発情期というものはなく、発情したメスによって誘発されるため、メスの刺激がない環境であれば発情自体で困ることはありませんが、去勢をしてしていないとスプレー行為に悩まされます。
そしてスプレー行為が習慣化してしまうと去勢手術をしても行動に変化が見られないこともあるので去勢手術は適正な時期(およそ生後半年齢)に行うことをオススメします。
【メス】
メスが大変なのはなんといっても発情期です。
避妊していないメスは年に2回(3月、7月頃)発情が起こります。
オスを求めて昼夜を問わず大きく、そして独特な声で鳴き続けます。
メス猫の飼い主さんが耐えかねて「はやく手術して!」と病院に助けを求めてこられる方が結構いらっしゃいました。
ご近所迷惑にもなりかねませんし、なんといっても一緒に暮らしていてずっと泣き続けられることがストレスに感じてしまうのでしょう。
「人間の都合で手術するなんてかわいそう」という声も時々聞かれますが、猫ちゃんたちにもメリットはあります。
性による満たされないストレスは大きく、かなりのエネルギーをつかいます。
そのストレスからの解放と、いくつかの病気の予防に繋がります。(手術の必要性のところでご説明します)
子猫を産ませる予定がないのであれば生後半年頃から手術対象になりますので、適正な時期に手術をするとお互いにストレスが軽減され、お互いに穏やかな生活ができるでしょう。
避妊・去勢手術の必要性
上記でも述べたように発情期の行動で人間の方が参ってしまう場合が多いので猫ちゃんはオス・メスどちらも手術をすることが多いようです。
そして猫ちゃん自身のストレスにも影響があるようです。
発情期、満たされないストレスでずっとそわそわギラギラしていた猫ちゃんが避妊・去勢手術をしてから穏やかに、リラックスして過ごせるようになったという声はたくさん耳にします。
そしてそれだけでなく、以下の病気の予防にも繋がることもあるので更に重要です。
【オス】
- 精巣腫瘍
- 前立腺腫瘍
【メス】
- 子宮蓄膿症
- 乳腺腫瘍(猫の場合、ほぼ悪性)
ホルモン由来の病気の予防に繋がります。
どれも命に関わる可能性が高い病気です。
そして手術自体の負担も、大きく変わります。
かかりやすい病気
【オス】
とても危険な尿道閉塞
膀胱結石はオス・メス関わらず出来ますが、オスは尿道が細いため、石が詰まってしまうと排尿ができなくなってしまいます。
排尿できない状態が3日続くと亡くなってしまうので細心の注意が必要です。
本人はおしっこをしたくてトイレに行くのに排尿したくても詰まっていて出ないのです。想像してみてください。地獄ですよね。
そうなったらすぐに動物病院で開通してもらう必要があります。
尿道に細い管を通し、塞がれている部分に水圧をかけて開通し、洗浄します。猫ちゃんにとってなかなか苦痛が大きい処置です。
早期に対処してもらえば大事に至らないこともありますが、膀胱炎などの下部尿路疾患に頻繁にかかる猫ちゃんの場合、「また膀胱炎だな」と様子見をしてしまうことがよくみられます。
膀胱炎の頻尿だと思っていたら実は閉塞していて、処置する時には全身状態がかなり悪化し生死をさまよう、という猫ちゃんを何頭もみてきました。
閉塞は1日でもかなり全身状態が悪くなります。
ぐったりし、本当につらそうです。
開通した瞬間、どの猫ちゃんもこわばっていた表情がやわらぎます。どれだけ苦しかったか感じる瞬間です。
いろいろな病気はあり、予測不可能ですが、尿道閉塞は特に緊急性が高く、命の危険が大きい病気です。
メスの場合は尿道が太いので閉塞まではしないため、オスほど緊急性は高くなく、命に関わることはほとんどありません。
筆者はオス・メスを決める際にこれが決定打となり、メスをお迎えしました。
【メス】
未避妊の場合、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の発生率が高くなり、放っておくと命に関わります。
猫の乳腺腫瘍はほぼ悪性と言われており、手術自体も術後の管理も大変で予後がよくありません。
そして手術で切除する範囲が大きくなるため、体への負担と術後の傷の管理が大変です。
子猫を産ませる予定がなければ、避妊手術を適正な時期に行うことを推奨します。
日常の注意すること
【オス】
- 排尿の有無
- 尿量
- トイレに行く回数
を毎日必ず確認し、
- 出ていない
- 尿量が少ない
- 何度も繰り返しトイレに行く
そのような様子が見られたら“膀胱炎”なのか“尿道閉塞”なのかによって対応は大きく変わってきます。
排尿の確認・採尿の一工夫《システムトイレ編》
猫ちゃんのシステムトイレはお手入れに手間がかからずとても便利ですが、排尿の有無や量を確認するのには少々工夫が必要です。
排尿に違和感を感じたらシートを新しいものと交換し、トイレに入るたびに排尿の有無・量を確認します。
採尿する場合はシートを抜き(または裏返して)、溜まったものをスポイトやお弁当用の調味料容器などで採取し、動物病院へ持っていきましょう。
当日の尿を冷蔵して持参し、尿検査を依頼しましょう。
※膀胱炎でも尿道閉塞でも治療が必要になるため、猫ちゃんも一緒に病院に行きましょう。
【メス】
未避妊のまま発情期を迎えてしまうと、普段かわいい猫ちゃんの鳴き声が騒音化してしまうので、子猫を産ませない場合は適切な時期に避妊手術をすることを検討しましょう。
結局飼いやすいのはどっち?
筆者の個人的な意見としては、
見た目と性格の好みはオス
飼いやすさはメス
です。
そして先住猫がいる場合は異性の方がうまくいくようです。同性同士だと争いが起こりやすくなります。
最終的には「好み」と「猫に求めるものは何か」ということと、巡り合わせだと思います。
迷ったときの選択のサポートとして頭の片隅に置いておいていただけると良いかと思います。
まとめ
猫ちゃんを迎えることは家族が増える重要な選択です。
オスかメスか迷ったときは、性格の違いや日常の注意点などを考慮し、あとは巡り合わせも大切にしてくださいね。
猫ちゃんとの生活は日常をより豊かにしてくれます。
猫ちゃんのことをよく知った上で最善のお世話をしてあげましょう。
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