猫のフィラリア予防って必要?

ペット

わんちゃんを飼ったことがある方には広く知られているフィラリア症。

猫も予防した方がいいって知ってましたか?

めめ子
めめ子

今までそんなこと言われたことないけど…必要なの?

つるじ
つるじ

ここ最近だよねぇ、予防した方がいいって言われるようになったの…しなきゃだめ?

そんな疑問を元動物看護師の筆者が解決します!

動物看護師として20年間、動物病院に勤務し、2021年愛玩動物看護師国家資格を取得。わんちゃんやねこちゃん、動物病院に関するさまざまな疑問や不安にお答えします。

そもそもフィラリア症って何?

フィラリア症とは

フィラリアとは犬糸状虫という内部寄生虫で、蚊によって媒介されます。

  1. フィラリアに感染している動物の心臓に成虫が寄生し、オスとメスがいると血液中に小虫(ミクロフィラリア)を産卵
  2. その動物の血液を蚊が吸い上げることにより、小虫が蚊に移動
  3. 蚊の中で、感染できる大きさまで成長
  4. 別の動物を吸血する際に動物側に移動し、感染
  5. 一ヶ月ほどかけて皮膚の下を移動し、血管に到達←ここで駆虫!
  6. 駆虫せずにいると小虫がどんどん成長し、心臓に寄生(1.へ)

投薬前に犬は血液検査が必要なのになぜ猫はしなくていいの?

犬は上記の1.の段階で採血し、顕微鏡で観るとミクロフィラリアが確認できます。

心臓に成虫のオスとメスがいるかどうかの検査です。

万が一ミクロフィラリアが発見された場合は通常の予防薬を投与すると一斉に成虫が死んで血管が詰まってしまい、動物自身がショックを起こして最悪の場合死んでしまいます。

こういったことから、投薬前の採血は重要です。

しかし猫では検査せずに投薬可能とは不思議ですよね。

その理由は「感染していてもミクロフィラリアが発見されないから」です。

犬糸状虫という名前からもわかるように、猫はフィラリアにとって感染に適した動物ではないため、猫の中で成長することがほとんどできません。

しかしまれに成長した場合、犬に比べて心臓が小さい猫は虫の寄生数が少なくても症状が大きく出てしまい、最悪の場合、突然死してしまいます。

感染の危険性は犬と同様、命に関わるけれど、検査で感染の有無を判断するのが難しいため、検査をせずに投薬する病院が多いようです。

動物病院の方針によるところがあるのでかかりつけ医に相談しましょう。

症状の違い

犬 
  • 息切れ
  • 運動不耐性
  • 呼吸困難
  • 心不全
  • 腹水
猫 

  • 呼吸困難
  • 疲れやすい
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少

フィラリア症の予防方法

わんちゃんのフィラリア予防のお薬はたくさん種類があります。

内服薬だけでも顆粒、錠剤、チュアブル錠、ジャーキータイプとさまざまな形状のものがあります。

そして注射は年に一回の接種で一年中予防が可能なので年々接種数が増えている印象です。しかも毎年接種している場合は、検査不要なのも嬉しいポイントですよね。

しかし猫ちゃん用となると主流は滴下薬です。首の後ろあたり(本人が舐められない箇所)の毛を分けて皮膚に直接滴下します。食の好みに左右されず投与できるのはありがたいですよね。

滴下薬の種類も豊富で、ノミ、ダニ、シラミ、耳ダニ、回虫、条虫、鉤虫など駆除・予防したいものによって選択できます。

猫ちゃんのフィラリア予防の必要性

フィラリア症の説明でもありましたが、フィラリアとは『犬糸状虫』という名前だけあって主に犬に寄生します。

しかしまれに猫ちゃんに寄生することがあり、その場合、心臓の小さな猫ちゃんにとって影響は大きく、突然死してしまうことがあります。

今まで猫の突然死は時々耳にしましたが、原因が分からず『心臓発作だろう』と言われていましたが、近年研究が進み、フィラリアに感染したことが原因となっていることもあるとわかりました。

全部の突然死の原因がフィラリアとは限りませんが、可能性の一つとして考えられるとしたら、それが予防できるのであればしてあげたいですよね。

 

まとめ

フィラリア症は猫ちゃんにとってもわんちゃん同様、命に関わる恐ろしい病気だとわかりました。

感染する可能性は低くても万が一感染してしまった場合の突然死という大きなリスクを考えると予防しない手はないですよね。

予防期間や薬の種類・費用はかかりつけ医で相談してください。

そして猫ちゃんとの時間を大切に過ごしてください。

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