初めて猫ちゃんを飼うにあたって、どんな猫ちゃんを迎えるか思いを巡らせるのも楽しいひとときですよね。
品種や毛の長さ、色、柄など要素はたくさんありますが、なかでも性別はどちらにするか前もって決めておくことをおすすめします。
この記事ではオスとメスの特徴をわかりやすく解説しているので、オス・メスどちらにするか決める手がかりになりますよ。
- オス・メスどちらが飼いやすいの?
- 性格に違いはあるの?
- 生活する上で気をつけることに違いは?
さまざまな疑問を解消し、猫ちゃんの性別による違いを理解することで、これからの猫ちゃんとの生活が具体的にイメージしやすくなる内容になっています。
個体差はありますが、筆者の経験と、一般的な傾向としてどんな違いが見られるのか解説していきます。
初めて猫を飼うならメス
初めて猫を飼うお家や、初めてではないけれど猫初心者さんにはメスがおすすめです。
性格や見た目は好みもありますが、筆者が重要視するのは日常の健康管理の重要性です。
以下で説明する、オスがかかると命に関わる「尿道閉塞」という病気は日々の観察が重要です。
オス・メスのさまざまな違いを各章で解説していきますがかかりやすい病気や日常気をつけるべきことも異なります。
それらを踏まえた上でメスの方が初心者さん向けだと思います。
筆者は動物病院勤務歴は20年間ですが、猫を飼うことに関しては初心者なのでメスを選択しました。
見た目や性格はオスが好みですが、「尿道閉塞」で生死をさまようオス猫ちゃんをたくさんみてきたこともあり、そのような決断をしました。
初心者さんにはオス・メスの違いをしっかりと理解した上で決断して頂きたいと思います。
性格の違い
【オス】
- おっとりしている
- 甘えん坊
- やんちゃ
- 遊び好き
- 好奇心旺盛
- 縄張り意識が強い
- 社交的
- 活発
【メス】
- 警戒心が強い(子猫を産み育てるためだとか。納得!)
- 独立心が強い
- ツンデレ
- お姫さま
- 落ち着いている
- 静か
- 環境の変化に適応しやすい
- 穏やか
見た目の違い
【オス】
- 顔が丸くて大きい
- ヒゲ袋がもふっとボリューミー♡
- 目が離れがち
- 筋肉質
- 骨格が大きくしっかりしている
- 手足がぽってり大きめ
【メス】
- 顔が小さくてシャープ
- 目が寄りがち
- 体に脂肪が多い
- 体が小さい
- 華奢
- ヒゲ袋が小さくシュッとしている
- 手足が小さい
困った行動の違い
【オス】
なんと言ってもスプレー行為。
去勢していないオスは縄張り主張のため、とっても臭いおしっこを壁などに噴射させます。
オスには発情期というものはなく、発情したメスによって誘発されるため、メスの刺激が全くない環境であれば発情自体で困ることはありません。
しかし去勢をしてしていないとスプレー行為に悩まされることになるでしょう。
そしてスプレー行為が習慣化してしまうと去勢手術をしても行動に変化が見られないこともあるので去勢手術は適正な時期(およそ生後半年齢)に行うことをおすすめします。
【メス】
メスが大変なのはなんといっても発情期。
避妊していないメスは年に2回(3月、7月頃)発情が起こります。
オスを求めて昼夜を問わず大きく、そして独特な声で鳴き続けます。
動物病院に勤務していた際、メス猫の飼い主さんが発情期のメスの行動に耐えかねて「はやく手術して!」と病院に助けを求めてこられる方が結構いらっしゃいました🫨
ご近所迷惑にもなりかねませんし、なんといっても一緒に暮らしていてずっと泣き続けられることがストレスに感じてしまうのでしょう。

人間の都合で手術するなんてかわいそう。
という声も時々聞かれますが、猫ちゃんたちにもメリットはあります。
性による満たされないストレスは思った以上に大きく、かなりのエネルギーを使います。
そのストレスからの解放と、いくつかの病気の予防に繋がります。(【避妊・去勢手術の必要性】のところで解説します)
子猫を産ませる予定がないのであれば生後半年頃から手術対象になりますので、適正な時期に手術をするとお互いにストレスが軽減され、穏やかな生活ができることでしょう。
避妊・去勢手術の必要性
ホルモンの影響による行動で人間の方が参ってしまう場合が多いので猫ちゃんはオス・メスどちらも手術をすることがほとんどです。
そして人間だけでなく猫ちゃんのストレス軽減にも影響します。
発情期、満たされないストレスでずっとそわそわギラギラしていた猫ちゃんが避妊・去勢手術をしてから穏やかに、リラックスして過ごせるようになったという声はたくさん耳にします。
そしてそれだけでなく、以下の病気の予防にも繋がることもあるのでさらに重要です。
【オス】
- 尿路疾患(尿石症)
- 前立腺疾患
【メス】
- 子宮蓄膿症
- 乳腺腫瘍(猫の場合、ほぼ悪性)
ホルモン由来の病気の予防に繋がります。
どれも命に関わる可能性が高い病気です。
そして手術自体の負担も、大きく変わります。


かかりやすい病気
【オス】
とても危険な尿道閉塞。
膀胱結石はオス・メス関わらず出来ますが、オスは尿道が細いため、石が詰まってしまうと排尿ができなくなってしまいます。
排尿できない状態が3日続くと亡くなってしまうので細心の注意が必要です。
そうなったらすぐに動物病院で開通してもらう必要があります。
尿道に細い管を通し、塞がれている部分に水圧をかけて開通し、洗浄します。猫ちゃんにとってなかなか苦痛が大きい処置です。
早期に対処してもらえば大事に至らないこともありますが、膀胱炎などの下部尿路疾患に頻繁にかかる猫ちゃんの場合、

また膀胱炎かな。様子を見るか。
膀胱炎の頻尿だと思っていたら実は閉塞していて、処置する時には全身状態がかなり悪化し生死をさまよう、という猫ちゃんを何頭もみてきました。
閉塞は1日でもかなり全身状態が悪くなります。
ぐったりし、本当につらそうです。
開通した瞬間、どの猫ちゃんもこわばっていた表情がやわらぎます。どれだけ苦しかったか感じる瞬間です。
いろいろな病気はあり、予測不可能ですが、尿道閉塞は特に緊急性が高く、命の危険が大きい病気です。
筆者はオス・メスを決める際にこれが決定打となり、メスをお迎えしました。
【メス】
未避妊の場合、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の発生率が高くなり、放っておくと命に関わります。
猫の乳腺腫瘍はほぼ悪性と言われており、手術自体も術後の管理も大変で予後がよくありません。
そして手術で切除する範囲が大きくなるため、体への負担と術後の傷の管理が大変です。
子猫を産ませる予定がなければ、避妊手術を適正な時期に行うことを推奨します。
日常の注意すること
【オス】
- 排尿の有無
- 尿量
- トイレに行く回数
を毎日必ず確認し、
- 出ていない
- 尿量が少ない
- 何度も繰り返しトイレに行く
そのような様子が見られたら“膀胱炎”なのか“尿道閉塞”なのかによって対応は大きく変わってきます。
排尿の確認・採尿の一工夫《システムトイレ編》
猫ちゃんのシステムトイレはお手入れに手間がかからずとても便利ですが、排尿の有無や量を確認するのには少々工夫が必要です。
排尿に違和感を感じたらシートを新しく、そして裏返してセットします。
そしてトイレに入るたびに排尿の有無・量を確認します。
当日の尿を冷蔵して持参し、尿検査を依頼しましょう。
※膀胱炎でも尿道閉塞でも治療が必要になるため、猫ちゃんも一緒に病院に行きましょう。
排尿の確認・採尿の一工夫《ノーマルトイレ編》
ノーマルタイプのトイレの場合、砂の塊の大きさと数(回数)を毎日確認しましょう。
塊が小さく、何個もある場合は頻尿か尿道不完全閉塞(完全には塞がっておらず少し漏れ出ること)かもしれません。
その際、血尿が見られるかもしれません。
ノーマルタイプのトイレの場合、採尿するのに苦労する方は多いようです。
- 使い捨てのスプーン等で尿が固まる前にすくい取る
- 砂を一時的に撤去して採尿する
- 排尿のタイミングでスプーン等でキャッチする
猫ちゃんの性格によってはトイレを我慢してしまう結果になることもあるため、深追いは厳禁です。
自宅で採尿できない場合は病院で必要があれば採尿してくれるのでお任せしましょう。
【メス】
未避妊のまま発情期を迎えてしまうと、普段かわいい猫ちゃんの鳴き声が騒音化してしまうので、子猫を産ませない場合は適切な時期に避妊手術をすることを検討しましょう。
まとめ
猫ちゃんを迎えることは家族が増える重要な選択です。
オスかメスか迷ったときは、性格の違いや日常の注意点などを考慮し、あとは巡り合わせも大切にしてくださいね。
猫ちゃんとの生活は日常をより豊かにしてくれます。
猫ちゃんのことをよく知った上で最善のお世話をしてあげましょう。
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