元動物看護師が20年間動物病院で実際手にしてきた、さまざまなタイプのキャリーケースの使用感や安全性を比較し、数十点の中から選び抜いた【本当におすすめ】のキャリーケース選びの基準をご紹介します。
キャリーケース選びの基本知識
キャリーケースの種類
ハードタイプ
【メリット】
- 頑丈で衝撃に強い ◎
- 汚れても丸洗いができるので清潔 ◎
【デメリット】
- 重くてかさばる △
- 衝撃が加わったときの音の刺激が強い △
ソフトタイプ
【メリット】
- 軽量でバッグ感覚で使えて◎
- 通気口が多く、収納性にも優れていて◎
【デメリット】
- 猫ちゃんは基本的にお出かけが嫌いなので不安と恐怖で普段しない粗相をしてしまった場合、その対応が大変 △
リュック型
【メリット】
- 両手が自由になる ◎
- 長時間の使用に便利 ◎
【デメリット】
- 万が一、粗相をしてしまった際、衣服に影響が及んでしまったら一大事! △
スリング型
【メリット】
- 体にフィットして疲れにくい
- 密着感があり、安心感がありそう ◯
【デメリット】
- とにかくいれづらい ❌️
- 出しづらい ❌️
- 獣医師・看護師に不評 ❌️
サイズの選び方
猫ちゃんにとってキャリーケースは移動する部屋のようなもの。
窮屈すぎればストレスになり、逆に広すぎると不安になったり、移動中に中で滑ってしまう危険もあります。
基本のサイズ選び:目安は【猫の体長×1.5】
キャリーケースの理想のサイズは「猫ちゃんが中で方向転換ができて、伏せてリラックスができる広さ」です。
一般的に猫の体長(鼻先からしっぽの付け根まで)のおよそ1.5倍程の奥行きがあると快適とされています。
ただし、相当大柄な猫ちゃんでない限り、通院用であれば一般的な猫ちゃん用のキャリーケースで大丈夫です。
※7〜9キロ程の大柄な猫ちゃんでわんちゃん用のケージを検討する場合もありますが、あまりに大きいケージを選んでしまうと総重量がかなりの重さになってしまい、一人で運べなくなってしまいますので注意が必要です。
動物病院目線:診察しやすい形=スムーズに出し入れできるか
動物病院では、キャリーケースの大きさよりも出し入れのしやすさがかなり重要です。
奥行きが深すぎたり、入り口が狭すぎるキャリーケースでは猫ちゃんを無理矢理引っ張り出すことになってしまいます。
動物病院側からおすすめするポイント
◎上が大きく開くタイプ
診察の内容によっては猫ちゃんを診察台の上に出すことなく、キャリーの中には入ったままで済む場合もあり、大変診察しやすく、便利です。
◎扉が2カ所以上ある
上と横に扉があると出すときも入れるときもとても使い勝手が良いです。
※ただし、扉の数が多く一見便利そうに思えるキャリーケースも、一つ一つの扉が小さいと、結局出しづらいので注意が必要です。
◎扉を開けなくても中の様子が確認できる工夫がしてある
側面や上部が透明orメッシュで扉を開けなくても中の様子が確認できると安心・安全です。
◎大きすぎない
5キロくらいまでのレギュラーサイズのペットシーツが開いて1枚敷けるくらいの大きさで使いやすいですよ。
◎猫ちゃんが自分から入りやすい形状
キャリーケースに入るのを嫌がる猫ちゃんは多いです。
飼い主さんも「なかなかキャリーに入ってくれなくて大変だった💦」と、ご自宅での格闘をお話してくださいます。
パニックになった猫ちゃんや、極端に臆病な猫ちゃんは気配を察して逃げたり、飛び出したり、攻撃したりすることがあります。
基本的に自ら入りやすい形状がおすすめです。
くしゃっとしてしまうタイプは入りづらく、入れづらいのでおすすめしません。
まとめ
猫ちゃんのキャリーケース選び歯「猫ちゃんが落ち着いて過ごせるか」と「飼い主や動物病院スタッフが扱いやすいか」の両方が大切です。
猫ちゃんの性格、体格、用途、診察時の利便性まで考えて選ぶことで、ストレスの少ない移動や診察が実現できますよ。
筆者の経験から、猫ちゃんのキャリーケースは、以下の点をポイントに選んでもらうことをおすすめします。
- ハードタイプ
- 扉が2個以上(上と横が◎)
- 扉をあけずに中の様子が確認できる、覗き窓や格子がある
- 構造がシンプル(扉自体を取り外しても簡単にもとに戻せるもの◎ドライバーが必要なものは❌️)
以上の点を踏まえて使いやすいものを選んでくださいね。
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