猫ちゃんを迎えたばかりの頃は、

これって病院に聞いていいの?
今すぐ行くほどじゃない気がするけど不安…。
そんな疑問や迷いが次々と出てきますよね。
動物病院には毎日さまざまな飼い主さんが来られますが、実は聞かれる質問の多くはとても共通しています。
- ワクチンって毎年必要なの?
- 爪切りだけで受診していいの?
- この症状、様子見でも大丈夫?
この記事では、元動物看護師として病院で本当によく聞かれていた質問を中心に、猫初心者さんにもわかりやすく解説していきます。

「こんなこと聞いていいのかな?」と悩む前に、ぜひ一度目を通してみてくださいね。
ワクチンって毎年必要?

猫を長年飼われている方でも、案外ご存知ないことが多いのですが、
猫の年齢や生活環境によって、接種するワクチンの種類や頻度は異なりますが、
基本的には定期的な追加接種が推奨されています。
私が動物病院で勤務していて感じたのは、犬と比べて、猫は「病気やケガのときだけ病院に来る」というケースが多いということです。
そのため、診察やペットホテルの利用などで久しぶりに来院された際、ワクチンの接種歴を確認すると、
「え?猫もワクチン打つの?!」
と驚かれる飼い主さんがとても多くいらっしゃいました。
多くの動物病院では、ワクチン時期が近づくとお知らせのハガキを送っています。
ただし、一度ご案内して来院がなかった場合、システム上それ以降は通知されないことも少なくありません。
子猫のとき打ったから大丈夫だよね?

ワクチンの接種歴を確認すると、高い確率で返ってくるのが、

子猫のときに打ったから、もう大丈夫ですよね?
という言葉です。
ですが、猫のワクチンの効果は、一度接種すれば一生続くものではありません。
時間の経過とともに、体内の免疫は少しずつ低下していくとされています。
そのため、

成猫になってからも、定期的に追加接種を行い、免疫力を維持していくことが愛猫の健康を守ることにつながります。
「今まで元気だったから大丈夫」
と感じていても、気づかないうちに免疫が下がっていることもあります。
ワクチンの間隔や必要性については、猫ちゃんの年齢や生活環境によって異なるため、一度かかりつけの動物病院で相談してみましょう。
室内猫にも必要なの?


外に出ないし、他の猫とも接触しないから大丈夫ですよね?
完全室内飼いの猫でも、感染のリスクがゼロになるわけではありません。
たとえば、
- 人の手や服、靴についたウイルス
- 玄関の開閉時の脱走
- トリミングサロンやペットショップ
- 動物病院やペットホテルの利用
など、直接ほかの猫と接触しなくても、感染のきっかけは意外と身近なところにあります。
特に、病気の猫ちゃんも出入りする動物病院や、猫が多く集まるサロン・ホテルを、ワクチン未接種のまま利用することは、感染リスクを高めてしまいます。
そのため、サロンやホテルを利用する際に、ワクチンの接種証明書の提出を求められることが多いのです。

適切な間隔でワクチンを接種し、安定した免疫力を保つことは、こうした「もしも」のリスクから愛猫を守ることにつながります。
どのワクチンを打てばいいか、わからない


種類が多くて、正直よくわからない…。
そんな声も、診察室ではよく聞かれます。
ですが、ワクチンの種類や接種プランは、飼い主さんが自分で判断する必要はありません。
診察の際に、普段の生活について簡単に質問に答えることで、獣医師がその猫ちゃんに合ったワクチンプランを提案してくれます。
たとえば、
- 外に出る可能性があるか
- 同居している猫の有無
- これまでのワクチン接種歴
- 持病の有無(猫エイズ・白血病など)
こうした情報をもとに、必要なワクチンの種類を獣医師が判断し、接種を行います。
大切なのは、指示された時期を忘れずに追加接種を受けること。

まずはかかりつけの動物病院で相談してみましょう。
爪切りだけで病院に行ってもいいの?


動物病院って、病気やケガのときに行くところじゃないの?
そう思われがちですが、
動物病院では爪切りや耳掃除などの日常ケアも大切にしています。
実際、猫ちゃんが爪を切らせてくれず、困っているご家庭はとても多く、
私が勤務していた病院でも、毎日たくさんの猫ちゃんが爪切り目的で来院していました。
猫にとって爪は武器であり、道具であり、とても敏感な器官なので爪切りを嫌がるのは決して珍しいことではありません。
特に自分のテリトリー内では逃げたり隠れたりできる場所が多く、
「家ではどうしてもできない」
というケースはよくあります。
しかしお手入れを怠ると、家具や人を傷つけてしまうだけでなく、伸びすぎた爪が肉球に刺さり、猫自身がケガをしてしまうこともあります。

難しい場合は無理をせず、爪切りだけでも気軽に動物病院を利用してくださいね。
自宅で爪切りをするメリット
自宅で爪切りができるようになると、飼い主さんにも猫ちゃんにも、さまざまなメリットがあります。
- 初期投資として爪切り本体の購入費用はかかるが、その後の費用はかからない
- 病院やサロンに行く時間を節約できる
- 思い立ったときに、好きなタイミングでできる
- 1日1本切れればOK(無理に一回で全部切らなくてもいい)
- 寝ているところを狙える
特に猫ちゃんの爪切りは、
「一回で全部切らなければいけない」
と思うと難しく感じがちです。
ですが、1日1本切れたら十分。
少しずつ進められるのが、自宅で爪切りをするいちばんのメリットとも言えます。
ただし、猫ちゃんの性格によっては、強く抵抗したり攻撃的になってしまうこともあります。
その場合は無理をせず、信頼関係を守ることを優先し、病院で切ってもらう選択をしましょう。
自宅での爪切りのコツ

お家で爪切りをするときのコツは、
- 寝ているときに1本だけ切る
- 嫌がったらすぐやめる
- 無理してやらない
- おやつで気分をそらしながらやる
- できたらたくさん褒める

一度に全部切るのは難易度が高いので、1日1本切れたらまた明日、くらいで挑むのがおすすめです。
猫ちゃんは飼い主さんの緊張や焦りを敏感に感じ取ります。
気合いを入れすぎず、「できるときに、できる分だけ」を意識してみてください。
定期的に爪切りで病院に通うメリット
爪切りを目的に定期的に動物病院へ通うことには、猫ちゃんにとっても、飼い主さんにとってもメリットがあります。
- 病院という場所に少しずつ慣れやすい
- 診察台に乗る経験を重ねられる
- 日々の小さな体調変化を相談しやすい
- 病気の早期発見・早期治療に繋がる
「病院=怖いところ」というイメージが強いと、いざ体調を崩したとき、通院そのものが大きなストレスになってしまいます。
爪切りなどの短時間の来院を重ねることで、病院の雰囲気やスタッフに慣れ、通院時のストレスを軽減できることがあります。
また、病院で爪切りをしてもらうことで、飼い主さん自身が正しい爪の長さや切り方を実際に見て学べるというメリットもあります。
猫ちゃん自身が爪切りに慣れてくると、「家でもできそうだな」と感じるようになる方も多いですよ。
キャットフードはどれがいい?

お店に行くと、たくさんの種類のキャットフードが並んでいて、

正直、どれを選べばいいのかわからない…。
と迷ってしまいますよね。

まず主食として選びたいのは、「猫専用」かつ「総合栄養食」と表示されているフードです。
総合栄養食は、《フード+水》だけで、猫に必要な栄養がしっかり摂れるよう設計されています。
おやつや一般食は、あくまで補助的なものとして考え、毎日の主食には向きません。
「たくさんあって迷う…」
という場合は、まずは総合栄養食かどうかをチェックするところから始めましょう。
カリカリと缶詰どっちがいい?

キャットフードは大きく分けて、
- ドライフード(カリカリ)
- ウェットフード(缶詰・パウチ)
の2種類があります。
基本的には、総合栄養食であれば、どちらを選んでも問題ありません。

ウェットフードは水分量が多く、普段あまり水を飲まない猫ちゃんの水分補給にも役立ちますよ。
一方で、ウェットフードは水分量が多い分、ドライフードに比べて「1日に必要な給与量」が多くなり、コストはやや高くなりがちです。
また、ウェットフードは傷みやすいため、特に夏場の置き餌には注意が必要です。
ドライフードは保存性が高く、コスト面でも続けやすいというメリットがあります。
猫ちゃんの好みや生活スタイルに合わせて、ドライとウェットを上手に使い分けるのもおすすめです。
年齢・用途に合わせる

猫は成長段階によって、必要とする栄養バランスが異なります。
そのため、
- 子猫用
- 成猫用
- シニア用など、
年齢に合ったフードを選ぶことが基本です。
また年齢だけでなく、
- 毛玉ケア
- 避妊・去勢後
- 体重管理(ダイエット)
など、用途別に選ぶこともできます。
「たくさんあって迷う…」という場合は、
まずは、年齢+生活状況に合ったものを選びましょう。
どのメーカーを選べばいい?
キャットフードはさまざまなメーカーから販売されており、価格帯も成分も幅が広く、迷ってしまいますよね。

ひとつの目安として、価格が極端に安いフードは避けることをおすすめします。
高ければ高いほど良い、というわけではありませんが、大手メーカーのフードは、獣医師による監修や研究をもとに設計されているものが多く、一定の安心感があります。
私自身が愛猫のフードを選ぶ際に重視しているのは、「動物病院で取り扱いのあるメーカーかどうか」という点です。
たとえば、
- ヒルズ
- ロイヤルカナン
- ピュリナ
- ドクターズ
- アイムス など
これらのメーカーは、スーパーマーケットやドラッグストア等で並んでいるフードに比べて価格は高くなりますが、安心して愛猫に与えることができています。
そしてこれらのメーカー(一部を除く)は、各種疾患の治療を目的とした「療法食」も製造しています。
病気の治療や予防を目的として作られているため、多くのメーカーでは、研究を重ね、獣医師の監修のもとで栄養設計や品質管理が行われています。
そうした背景があるメーカーであれば、治療目的ではなく、日常的に与える一般食であっても、栄養設計や安全性の面で安心して選びやすいと感じています。
そのため私は、愛猫に与えるフードのメーカー選びのひとつの基準として、「動物病院で扱っているメーカーかどうか」を参考にしています。
ただし、持病がない場合には、病院専売の療法食を選ぶ必要はありません。
ペットショップや大型ホームセンターなどで購入できる、これらのメーカーの一般食ラインの中から、年齢や用途に合ったものを選びましょう。
※持病がある場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
健康診断っていつから必要?


健康診断って、元気そうでも受けたほうがいいの?
そんな疑問もよく聞かれます。
猫は体調不良を隠すのがとても上手な動物です。

見た目は元気そうでも、検査をして初めて異常が見つかることも少なくありません。
目安として、7歳頃から獣医師に相談しながら、定期的な健康診断を受けることがすすめられます。
年に1回程度の健康診断を基本に、持病がある場合やハイシニア期では、半年〜数ヶ月おきなど、猫ちゃんの状態に合わせて検査間隔を調整していきます。
具体的な頻度や内容については、その子の年齢・体調・生活環境を踏まえて、かかりつけの獣医師と相談しながら決めていきましょう。
健康診断でよくある項目

動物病院で行われる健康診断には、以下のような検査が含まれることが多いです。
- 体重測定
- 触診
- 聴診
- 血液検査
- レントゲン検査
- エコー検査
- 尿検査
- 便検査
病院によっては、年齢別に検査内容がセットになった「健康診断パック」が用意されている場合もあります。
また、問診や既往歴をもとに、必要な検査だけを選択して行うケースもあります。
「全部やらなきゃいけない」ということではないので、不安な点や予算も含めて、相談してみましょう。
うちの猫って太ってる?

病院でよく聞かれるのが、
「◯kgって、太り過ぎですか?」
という質問です。
ですが、猫の場合、体重だけで太っているかどうかを判断することはできません。
同じ5kgでも、
骨格ががっしりしたオス猫と、
体は小さいのにお腹まわりがぽっちゃりしているメス猫では、
体型の印象や健康状態は大きく異なります。
猫の肥満度は、体のラインを見て総合的に判断します。
- 上から見たときのウエストのくびれ
- 横から見たお腹のライン
- 肋骨の触れ方や見え方
これらを確認しながら評価します。
受診の際に、適正体重かどうかを判断してもらい、そこからの体重の変化を定期的にチェックしていくことが大切です。
猫は体が小さい分、わずかな体重の増減が、体調の変化や病気のサインになっていることもあります。
特に毛がふわふわしている猫は、見た目で変化がわかりにくいため、数値で管理することが役立ちます。
お家での体重の測り方

自宅で体重を測る場合は、次の方法がおすすめです。
- 猫ちゃんを抱っこして体重計に乗る
- 飼い主さんだけで体重計に乗る
- その差を計算する

猫だけを体重計に乗せようとすると、逃げてしまってなかなか測れないことが多いので、抱っこしたまま測ってみましょう。
この症状は病院へ行くべき?

毎日、動物病院にはこのような問い合わせの電話が何件も入ります。

病院に行くべきかどうかわからなくて…。
猫を連れ出すだけでもストレスになるし、行かなくていいなら家でゆっくりさせてあげたいんだけど…。
その気持ち、とてもよくわかります。
そんなときは、迷った段階で一度、動物病院に電話してみましょう。

ただし、知っておいてほしいのが病院側から「連れて来なくて大丈夫ですよ」とは、なかなか言えないという点です。
そのため、「心配であれば連れて来てください」という返答になることも多いですが、症状を聞いたうえで電話口でアドバイスをしてくれる場合もあります。
まずは、かかりつけの動物病院に状況を伝えて相談してみましょう。
受診を検討した方がいいケース
- いつもと様子が違う
- 食欲が落ちている
- 好きなものも食べない
- 元気がない
- ふらつく
- 何度も吐く
- 下痢を繰り返している
- 尿が出ない 【⚠緊急性あり】
- 便が出ない
- 何度もトイレに行く
などが見られる場合は、受診を検討しましょう。
緊急性があるかどうかの判断に迷うときは、症状・経過・回数などをできるだけ具体的に伝え、病院の判断を仰ぐことが大切です。
少しでも判断に迷ったときは、自己判断せず、動物病院に相談しましょう。
緊急性が低いと考えられるケース
以下のような場合は、すぐに受診せず、自宅で様子を見ながら注意深く観察するという選択肢もあります。
- 一時的に吐いたが、その後は元気・食欲が戻っている
- 軟便が1回だけで、その後は普段通り
- 環境の変化(来客・引っ越し・通院後など)後に、少し元気がないが半日〜1日で回復している
- 食欲に多少ムラはあるが、水・おやつは摂れており、元気もある
ただし、様子見をする場合でも、条件があります。
- 症状が悪化しないか
- 回数が増えていないか
- 元気・食欲がさらに落ちていないか
これらを必ず確認し、少しでも「おかしい」「いつもと違う」と感じたら、受診に切り替えましょう。

変化に気づけるよう、いつもより注意深く見守ることが大切です。
避妊・去勢はいつするの?

避妊・去勢手術の時期は、猫の体調や成長具合、病院の方針によって多少異なります。
一般的には、オスもメスも生後6ヶ月頃を目安にすることが多いです。
ただし、
- 体重や発育状況
- 持病の有無
- ワクチン接種の状況
などによって、適切な時期は変わります。
そのため、「月齢だけ」で判断せず、一度、かかりつけの動物病院で相談して決めるのがおすすめです。
成猫の場合は体調がよければいつでもできるので病院と相談して予定を決めましょう。
病院嫌いを減らす方法は?

病院が好きな猫はいません。
猫にとって動物病院は、
「知らない場所」「知らない匂い」「触られる」
といったストレスが重なりやすい環境です。
病院嫌いを完全になくすことは難しいですが、嫌な記憶をできるだけ増やさない工夫はできます。
- 普段からキャリーケースを出しておき、慣れさせる
- 大きな声や音を避ける
- やさしく声をかける
- まずは飼い主さんが落ち着く
- 体を隠せるタオルや毛布をキャリー内に入れておく
- キャリーに布をかけて、視線を避ける
- 診察室でおやつをあげる(要確認)
- 待合室で犬の近くは極力避ける
- 猫にやさしい病院・獣医師を選ぶ
- フェリウェイ(フェロモン)を使用する《動物病院で購入できます》

少しの心がけで通院ストレスを軽減することにつながります。
また、体調が悪くなってから慌てて連れて行くより、ワクチンや健康診断など、元気なうちの通院経験を重ねておくと、病院への苦手意識が強くなりにくい傾向があります。
病院に電話していい時間帯は?

動物病院の規模にもよりますが、基本的には診察時間内に電話するようにしましょう。
「診察時間は忙しそうだから…」と気を遣って、時間外に電話をかける方もいらっしゃいますが、診察時間外は決して「休憩時間」というわけではありません。
手術や検査、入院中の動物のケア、救急対応、往診、会議や勉強会など、動物病院では診察時間外にも多くの業務が行われています。

診察時間内に電話をかけることを基本とし、時間外は極力、緊急対応を要する場合のみにしましょう。
電話の際に伝えるとスムーズなこと
動物病院へ電話をかけるときは、カルテをすぐに確認できる情報を最初に伝えると、その後のやりとりがとてもスムーズになります。
まず、診察券番号と名前を伝えたうえで、要件を伝えましょう。
- 診察券番号
- 飼い主さんの名前
- 猫ちゃんの名前と年齢
- 症状や相談内容
- 現在飲んでいる薬の有無
- 救急対応をお願いする場合は、病院までの所要時間

事前にこれらを整理しておくと、状況が伝わりやすく、やりとりもスムーズになりますよ。
まとめ

猫と暮らし始めると、わからないことや不安なことがたくさん出てきますよね。
「こんなこと聞いていいのかな…?」とためらってしまう気持ち、とてもよくわかります。
でも動物病院は、猫と飼い主さんの味方です。
どんな小さな疑問でも、遠慮なく相談して大丈夫です。
この記事で紹介した質問は、どれも病院で本当にたくさん寄せられるものばかりです。
恥ずかしいと感じたり、聞きにくいと思わなくて大丈夫です。
わからないことをそのままにせず、「猫ちゃんともっと楽しく、安心して暮らしたい」という気持ちを大切にしてくださいね。
これからの猫ちゃんとの毎日が、もっと心地よく、もっと安心に満ちた日々になりますように。
猫ちゃんとの暮らしを、応援しています。
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