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猫にやさしい病院・獣医師の見極め方|元動物看護師が解説

動物病院

愛猫が病院を嫌がって、通院のたびにひと苦労…。

ささき
ささき

猫は病院を怖がるものだよね。

どこの動物病院でも一緒でしょ?

と諦めていませんか?

実は愛猫に合ったかかりつけ医をみつけるためには、いくつかのステップがあります。

  1. どんな基準で病院を選ぶか、行く前のリサーチ
  2. 実際に受診したらチェックするポイント
めめ子
めめ子

愛猫に合った病院選びは、結果として病院が身近な存在となり、健康寿命にも影響してきます。

20年の現場経験を持つ元動物看護師が、猫ちゃんの負担をできるだけ減らすための病院選びとチェックポイントをわかりやすく解説します。

 

動物病院を選ぶ前に知っておきたいこと

猫に「やさしい病院」とは

処置を受ける猫の驚いた顔

猫ちゃんはとても繊細で、環境の変化や見知らぬ人との接触に強いストレスを感じやすい動物です。

キャリーに入って外へ出るだけでも緊張し、動物病院では不安や恐怖が一気に高まります。

その結果、診察中に強く抵抗したり、帰宅後に体調を崩してしまう猫ちゃんも少なくありません。

だからそこ、猫ちゃんへやさしい配慮をしている病院を選ぶことが、「信頼できるかかりつけ医」に出会う近道になります。

キャットフレンドリークリニック(CFC)認定をチェック

グルーミングにうっとりする猫

キャットフレンドリークリニック認定という制度があります。

これは、猫ちゃんに配慮した診療や環境づくりに取り組んでいる動物病院に与えられる認定で、全国に対象病院があります。

まずは、自宅周辺に該当する病院があるか調べてみるのもひとつの方法です。

▼参考リンク(外部サイト)

全国のキャットフレンドリークリニックは、以下の公式サイトから確認できます。

JSFM Japanese Society of Feline Medicine (JSFM、ねこ医学会)
JSFMはisfmの公式な日本のパートナーとして認定されています

ただし、認定の有無にこだわりすぎる必要はありません。

「猫ちゃんのためには、こうした配慮が効果的なんだな」という視点を知り、それを踏まえて「この病院はどうだろう?」と考えるための、判断材料のひとつとして活用してみてください。

▷CFCの魅力的なポイント

  • 猫専用の待合室・診察室など、猫特有のストレスを軽減する工夫がされている
  • 猫の扱いに慣れた獣医師・スタッフが在籍し、適切なハンドリング技術が共有されている
  • 待ち時間も猫が落ち着けるよう、照明や香り、音への配慮がされている

▷飼い主から見てのメリット

  • 初めて連れて行く場合でも「猫にとって安心できる環境」が整っていることがわかりやすい
  • CFC認定があることで、信頼できるクオリティの保証と判断しやすい
  • ネガティブな経験を減らし、気軽に受診ができるようになるため、早期発見・早期治療につながる

CFC認定は、あくまでひとつの目安です。

実際に受診してみて、病院の雰囲気や清潔感、診察の進め方、スタッフの対応が愛猫に合っているかを確認することが大切です。

大切なのは「設備」よりも「人」

猫の聴診をする男性獣医師

病院全体として猫ちゃんに配慮している場合でも、実際の診察では、獣医師ごとに対応の差が出ることがあります。

どんなに環境が整っていても、診察の進め方や声かけ、触れ方ひとつで、猫ちゃんの緊張は大きく変わります。

だからこそ大切なのは、実際に受診してみて、その病院・その獣医師が「猫をどう扱っているかを見ること。

次の章では、猫ちゃんと一緒に病院へ行ったとき、チェックしたいポイントを、具体的に解説していきます。

猫の診察が得意な獣医師の共通点

おやつをもらう猫

どれだけ評判の良い病院であっても、犬の診療を中心にしている病院では、猫への配慮が十分に行き届かない場面が出てくることがあります。

実際、犬と猫では、診察時の接し方や必要なスピード感、気をつけるポイントが大きく異なります。

これは「だめな病院」ということではなく、メインとして診ている動物の違いによる、診療スタイルの差によるものです。

犬の場合は、ある程度こちらが主導して診察を進めないと、処置が難しくなることがあります。

一方で猫は、強引な対応をすると一気に拒否が強まり、その後の診察が成り立たなくなることも少なくありません。

そのため、犬には犬のやり方、猫には猫のやり方があります。

しかし実際には、どちらか一方に対応が偏ってしまうケースも少なくありません。

また獣医師は、体調不良の原因を探るために多くの情報を必要としますが、猫ちゃんはそのペースに必ずしも応えてくれる動物ではありません。

猫の診察では、少ない接触の中で必要な情報を的確に拾い、ある程度の見当をつける力と経験が求められます。

病院の設備や環境だけでなく、診察の進め方や、その場での判断の積み重ねが、猫ちゃんのストレスに大きく影響します。

この「判断」の違いこそが、獣医師それぞれの猫ちゃんへの対応力となり、猫ちゃんが病院を嫌いになってしまうかどうかを分ける大きな分岐点になります。

  • 大きな声や音、急な動きに配慮している
  • 刺激や接触を必要最小限にしている
  • 猫の特性をよく理解して接している
  • キャリーから出した状態で長々と説明をしない
  • 無理に押さえ込まず、基本の保定から猫ちゃんの反応に合わせて臨機応変に対応する
  • 緊張の度合いを見て、その場で優先順位を判断する(あえて次回へ見送る判断も含めて)
  • 段取りを整え、必要人数を揃えて短時間で終わらせる
  • 無理をしない/させない
  • 敏感な子や怒りやすい子には、慣れたスタッフを配置する

また、犬と猫ではかかりやすい病気も異なるため、猫の診療経験が豊富な獣医師であれば、症状の捉え方や説明、アドバイスにも違いが出てきます。

 

実際に初診を受けて「相性」を確認する

処置を受ける白猫

ネットで調べるだけでは、その病院の「空気感」までは分かりません。

だからこそ、実際に一度診察を受けてみることをおすすめします。

▶チェックポイント

  • 待合室で犬猫のエリア分離がされているか
  • スタッフの対応や声のかけ方
  • 大きな声や音など、刺激を与えない配慮があるか
  • 診察時の猫の扱い方
  • キャリー越しの観察や問診で、接触を最小限にしているか
  • 力ずくで押さえ込もうとしていないか
  • 院内の清潔感、消毒や換気の状態
  • 飼い主への説明がわかりやすいか
簡単な健康診断や爪切りで“偵察”に行ってみましょう。

愛猫がどう反応するか、飼い主さんが安心して任せられそうかを見極めましょう。

 

猫が病院嫌いになると起こること

威嚇する白黒の成猫

  • 逃げ回って連れて行けなくなる
  • 怒る・暴れる
  • 飼い主さんや病院スタッフがケガをする
  • 受診が遠のく
  • 受診するたびに強いストレスがかかり、体調を崩すことがある
  • できる検査・治療が限られる
  • 早期発見・早期治療が遅れる
  • 健康寿命に影響する
長年病院勤務をして痛感したのは、受診に敏感になってしまった猫ちゃんは“できる検査・治療が限られてしまう”ということです。

本来であれば、もっと選択肢があるはずの治療ができなくなってしまうことも少なくありません。

もっとできる治療があるのにできないのはとても心が痛みます。

だからこそ、猫ちゃんの性格や特性を理解し、負担を最小限に考えてくれる病院を選ぶことは、治療の選択肢を広げ、健康を守るための重要なステップになります。

 

かかりつけ医をみつけるステップ

情報収集が第一

熱心に調べものをする猫

動物病院選びは、情報を集め、実際に体験して比較することで信頼できる病院に出会える可能性が高まります。

実際に通院した飼い主さんの声が集まる口コミやレビューサイトはとても参考になります。

これらを利用する際には星の数よりもコメント内容に注目し、猫の診察で訪れた人のレビューを中心に自分のニーズに合っているか確認してみましょう。

⚠いい評価ばかりの場合、必ずしも実体験とは限らない場合もあるため、コメントの内容をしっかり読んで判断してくださいね。

【おすすめ】健康なときに行ってみる

健康そうな茶トラの猫

実際に足を運び、その病院の雰囲気を体験しましょう。

めめ子
めめ子

爪切りやワクチンなど、「健康なとき」にこそお試し受診をしてみましょう。

病院によって、獣医師によって「こんなに違うの?!」と驚くかもしれません。

人も猫も「相性」は会ってみなければわかりません。

猫ちゃんの反応もよく観察してみましょう。

ささき
ささき

なんとなく合わないかも…。

という感覚も、大切なサインです。

違和感を感じたら他も見てみよう

病院スタッフとのコミュニケーション

診察を受けて、猫ちゃんの様子や獣医師・スタッフの対応に違和感を感じた場合は、無理に通い続ける必要はありません。

違和感や不安を抱えたままだと、不信感やトラブルに繋がりかねません。

候補がいくつかあるのであれば、爪切りやワクチンなどで何軒か行ってみるのがおすすめです。

めめ子
めめ子

獣医師が何人か在籍しているのであれば、別の獣医師の診察を受けてみるのも◎。

猫ちゃんを入院させたり、場合によっては手術を受けることもあるため、「この先生なら安心して愛猫を任せられる」と思えるかかりつけ医をみつけましょう。

雰囲気や清潔感は重要な判断材料

動物病院で作業する病院スタッフ

病院自体の力量をみるポイントとして、待合室や診察室が汚れていたり、臭いがきつい、スタッフがいつもバタバタしている…そんな病院は、診療の質にも不安を感じてしまうことがあります。

実際に病院で働いていると、どうしてもバタついてしまう日はあります。

例えば、次のような状況です。

  • スタッフに突然の欠員が出た日
  • 時間のかかる検査・処置が重なったとき
  • 救急対応時

こうした状況では、どんなに気をつけていても院内が慌ただしくなることは避けられません。

「急患が入って…」と事情を伝えると、飼い主さんの“動物と暮らしているからこそのひとごとではない理解”に、何度も救われました。

なぜ待ち時間が長くなっているのか、バタついているのか、理由がはっきりしていて、説明してくれる病院は信頼できます。

けれど行くたびに、毎回このような状況の場合は、他の病院を検討することをおすすめします。

  • スタッフがバタバタしている
  • 院内が汚れている
  • においがきつい
  • ずっと犬が吠えている声が響いている

特別な事情ではなく、いつもそのような状態であれば、慢性的な人員不足や、スタッフの意識・体制による影響である可能性が高いと考えられます。

⚠スタッフが常に疲弊している状態では、ケアレスミスが起こりやすくなることも否定できません。

動物病院では脱走防止の観点から、診察時間中は窓を開けての換気が難しいこともありますが、清掃や消毒を徹底していればその差は清潔感として自然と表れます。

感染症の疑いがある動物を診たあとは、診察室や待合室の消毒を徹底し、場合によっては制服も着替えます。

それを当たり前に徹底している病院かどうかは、院内の清潔感や空気感に自然と表れます。

施設の清潔さや落ち着いた雰囲気は、猫ちゃんのストレスを減らすだけでなく、信頼性の指標にもなります。

 

自宅から30分圏内

バイクの上に乗る猫

病院選びでは「内容重視」が大切とはいえ、通いやすさも軽視できません。

移動そのものが猫ちゃんのストレスになること、そして万が一の救急時にすぐ駆け込めることを考えると、自宅から30分圏内に、ひとつはかかりつけ医を持っておくのが理想的です。

また、猫ちゃんは高齢になるにつれて腎臓に問題を抱える子が多くなり、状態によっては点滴などで頻繁に通院が必要になることもあります。

多い場合では、毎日の通院が必要になるケースもあります。

そうしたとき、自宅から近い場所にかかりつけ医があるかどうかは、通院を「続けられるかどうか」に直結します。

 

まとめ

猫ちゃんとの暮らしを始めたばかりの方にとって、動物病院選びはとても重要である一方、迷いやすいポイントでもあります。

しかし、いくつかのポイントをおさえることで、生涯を通して支えてくれる信頼できる病院・獣医師と出会うことは十分に可能です。

猫の特性を理解し、猫に配慮した病院を選ぶことで、通院時のストレスを大きく減らすことができます。

また、病院の雰囲気やスタッフの対応、設備や清潔感、実際に通いやすい距離かどうかなど、複数の視点から比較して選ぶことが大切です。

初診での印象や、実際に通っている飼い主さんの声も参考にしながら、猫ちゃんと飼い主さん双方にとって無理のないかかりつけ医を見つけていきましょう。

実際に私が働いていた病院では、獣医師の人数が多かったこともあり、猫ちゃんが少し過敏になって診察が思うように進まなかったときには、

「次回は〇〇先生で指名しますか?」と、飼い主さんに軽くお声がけすることがありました。

それは決して誰かが悪いという話ではありません。

獣医師にも、猫の扱いが得意な人・そうでない人、そして相性があるという、ごく自然な現実があるからです。

動物病院は「病院」という一括りでは判断できず、どの先生が診るか、どんな環境で診察を受けるかによって、猫ちゃんの感じ方は大きく変わります。

だからこそ、猫ちゃんの性格や反応をよく理解し、必要に応じて柔軟に対応してくれる獣医師と出会うことが、猫ちゃんにとっても、飼い主さんにとっても大きな安心につながります。

愛猫の一生を支えるパートナーとして、「この病院・先生なら任せられる」と思える出会いを、ぜひ時間をかけて見つけてあげてください。

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▼参考リンク(外部サイト)

環境省 動物の愛護と適切な管理

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