
猫を飼いたいけど、オスとメス、どっちがいいんだろう?
猫を迎えると決めたとき、多くの人が最初に悩むポイントです。
まずはそれぞれの特徴や違いを正しく把握することがとても大切です。
この記事では、元動物看護師の立場から、
- オス猫・メス猫の違い
- 性別の違いによって起こりやすい、命に関わる病気のこと
- よくある誤解
- 知っておいてほしいこと
をわかりやすくお伝えします。
結論から|初心者さんにおすすめは「メス」


最初に結論を言うと、初めて猫を飼う場合、私はメス猫をおすすめします。
理由は、オス猫にはオス特有の「尿閉」という命に関わるリスクがあるからです。
オス猫は甘えん坊の子も多く、可愛くて私自身オス猫が大好きです。
それでも、初めて自分で猫を迎えるならメスと決めていました。
オス猫で一番怖い「尿閉」とは尿閉(にょうへい)とは、 尿道が詰まり、おしっこが出なくなる状態(尿道閉塞)です。
特にオス猫は尿道が細いため、
- 尿石
- 炎症
で簡単に閉塞してしまいます。
なぜそんなに危険なの?
尿道が閉塞してしまうということは、「尿意はあるのに、物理的に尿が出せない状態」です。
猫は、排尿できない状態が続くと、体内に毒素がたまり、命に関わります。
一般的に「猫は3日排尿できないと命を落とす」と言われていますが、実際には3日を待たずに、生死をさまようケースも少なくありません。
そのため尿閉は、本当に一刻を争う、緊急性の高い状態です。
▽実際の現場で、立ち会った尿閉のオス猫の状況
- 生死をさまようほど深刻な状況
- 飼い主の管理不足により、何度も尿閉を繰り返すケース
- 残念ながら、救うことができなかったケース
正直な本音を言うと、「きちんとした管理ができないのであれば、オス猫を迎えるべきではない」と感じる場面も、現場では少なくありませんでした。
危険を回避するには?
✔毎日の排尿状態を確認する
回数だけでなく、必ず量も確認する
✔トイレに何度も入るのに、出ていない、または極端に量が少ない場合はすぐに動物病院へ
オス猫の場合、「様子見」が命取りになることがあります。
✔食欲や全体的な体調をよく観察する
元気がない、食欲が落ちているなどの変化も見逃さないようにしましょう。
✔膀胱炎と自己判断しない
膀胱炎と症状が似ているため軽く考えられがちですが、オス猫では尿閉が隠れている可能性があることを常に考えましょう。
✔尿石・結晶を指摘されたことがある場合は特に注意
再発リスクが高いため、日常的な管理・観察がより重要です。
✔食事管理を徹底する
獣医師の指示に従い、「療法食と水のみ」を基本に管理します。
▽覚えておいてほしいこと
オス猫の尿閉は、飼い主の「観察眼」と「判断の早さ」が命を左右します。
オス猫には、このような特有のリスクがあることをあらかじめ理解したうえで迎えることが、とても重要です。
「メスは穏やか」は誤解

ネットでは「メス猫は穏やかで飼いやすい」という意見を目にしますが、現場では
動物業界では「怒る猫TOP3」に三毛猫(=99%メス)が入る、と言われるほど。
発情期が大変なのはオス?メス?
「オスは発情期が大変」というイメージがありますが、 発情で大変なのはメス猫です。
- 大きな声で鳴き続ける
- 落ち着きがなくなる
- 行動が普段と変わる
といった変化が数日続き、困り果てた飼い主さんから相談を受けることもしばしば。
避妊手術をしていないメス猫がいないわけではありませんが、「飼い猫なのに珍しいな」という印象を受けます。
オスがいなければメスは手術不要?答えはNO


メスはオスがいない室内飼いなら、手術しなくてもいいよね?
これは大きな勘違いです。
メスが避妊手術をしないことで、
- 発情のストレス
- 乳癌などの病気のリスク⚠
が高まります。
一方、オス猫は
- スプレー行為(マーキング)
という別の困りごとがあります。
オス・メスどちらの場合でも、避妊・去勢手術をせずに一緒に暮らすと、困りごとは大きくなりやすいのが現実です。
「人間の都合で手術をするのは可哀想」
「自分勝手で、押しつけなのでは」
そう感じる気持ちは、とても自然だと思います。
ただ、実際には、「手術をせずに暮らすことで起こるストレスやトラブルのほうが、はるかに大きい」という場面を、現場では数多く見てきました。
猫と人が無理なく、穏やかに暮らしていくためにも、避妊・去勢手術は「かわいそうな選択」ではなく、現実的で、猫の生活を守るための選択肢のひとつだと感じています。
未去勢オスの尿のにおいは強烈

猫のおしっこが臭うことは、ある程度知られていますが、特に去勢をしていないオス猫の尿は、においが強くなりやすい傾向があります。
さらに、「スプレー」と呼ばれるマーキング行為が加わると、壁や家具、カーテンなどに強いにおいが残り、日常生活に大きな影響が出ることも少なくありません。
一度ついたにおいは簡単には取れず、掃除や消臭に追われてしまうケースも多いのが現実です。
こうした点も含めて、オス猫を迎える際には、においの問題が起こり得ることを理解しておくことが大切です。
甘えん坊かどうかは「性別」ではなく、「性格」

多くの人が思い描く「猫との生活」は、
- 一緒に寝る
- 抱っこされてゴロゴロ甘えてくる
といった姿かもしれません。
しかし実際には、オス・メスに関係なく
- 甘えるのが苦手
- 抱っこやベタベタした触れ合いを好まない
猫もたくさんいます。
これは性別の違いよりも、その子が生まれ持った性格や、育ってきた環境の影響が圧倒的に大きいためです。
甘えてこないからといって、「懐いていない」「失敗した」ということではありません。
その子なりの距離感や愛情表現を理解し、個性として受け止めていくことが、猫との暮らしを楽しむコツです。
性別よりも大事な判断ポイント

現場で感じていたのは、 性別よりも、次のような要素の方が性格に影響することが多いという点です。
- 毛色・柄
「猫は毛色や柄によって、ある程度性格の傾向がある」と言われることがあります。
実際に現場でも、毛色・柄ごとに共通した行動傾向を感じる場面はありました
- 毛の長さ
長毛種よりも短毛種の方が気性が荒い傾向があります。(例:アビシニアン>ソマリ)
- 品種
純血種の場合は、品種ごとの気質や特徴から、ある程度の性格を予測できることがあります。
- 野良経験の有無
外での生活経験がある猫は、警戒心が強かったり、人との距離感を一定に保とうとする傾向が見られます。
- 人との関わり方
子猫期にどれだけ猫同士・人と関わってきたかはその後の性格形成に大きく影響します。

ちなみに私は、 「初めて飼うなら穏やかな猫がいい」と考え、サビ猫を探しました。
こんな人にはメス猫がおすすめ

- 初めて猫を飼う
- 体調管理に自信がない
- 留守がちで異変に気づきにくい
命に関わるリスクが少ない、という点は 初心者さんにとって非常に大きなメリットです。
まとめ|出会いと理解を大切に

猫との暮らしは、オスかメスかだけで決まるものではありません。
大切なのは、
- その子の特徴
- かかりやすい病気
- 予防できる病気
- 日々の健康管理
をきちんと理解した上で迎えることです。
出会いも、ひとつのご縁。
オスでもメスでも、その子なりの個性があります。
それが、猫と暮らすうえでいちばん大事なことだと、現場で多くの猫を見てきて感じています。
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