テーブルの上のペンやコップを、ちょいちょいちょい…ガチャン!
大切なものや壊れやすいものをちょいちょいされるとハラハラドキドキしますよね。
遊んでるだけと思いがちですが、実はその裏にストレスのサインが隠れていることも。
もちろん単なるイタズラや本能の延長という場合もありますが、もし
- 物を落とす頻度が増えてきた
- 特定の状況でだけやる
などの変化が見られるなら要注意。
猫ちゃんからのSOSのサインかもしれません。
この記事では、猫ちゃんが物を落とす行動の理由を解説しながら、ストレスとの関わりや、すぐにできる対策法を紹介します。
「うちの子、ただの遊びかな?それとも何か不満があるのかな?」と気になる飼い主さんは、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
猫が物を落とすのはなぜ?
猫ちゃんが机や棚にある物を前足でちょいちょいちょい…「カシャッ」「ゴトン」😱
猫ちゃんと暮らしていると日常的に見られる行動ですが、そこにはいくつかの理由があります。
好奇心から物を落とす
猫ちゃんはとても好奇心旺盛な動物です。
新しいものや動くものを見つけると「これは何だ?」と確かめたくなります。
前足で触ってみて、
- 揺れる…😺
- 転がる😻
- 音がするーっ😻😻
猫ちゃんにとって興味をそそる遊び道具になります。
特に子猫ちゃんや若い猫ちゃんほど好奇心が強く、物を落とす行動が頻繁に見られます。
筆者宅の5ヶ月のサビ猫は、息子が机で勉強していると、
- 消しゴム→落とす
- 鉛筆→落とす
- 拾う→落とす
- 拾う→落とす…
永遠にやっています🫠
邪魔だから落とす
猫ちゃんは高いところ、狭いところが大好きです。
テレビの裏や脇をスルリと通ること、ありませんか?
筆者宅ではテレビ脇に花瓶(安心してください、割れない素材ですw)や小物を置いていました。

避けながら上手に歩くなぁ、さすが猫✨
と感心していたら…
ちょいちょい…ガチャン‼️

わざと落としたーっ😱
「邪魔だなぁ😾」
と言わんばかりに落として見下ろしていました。
その顔はどこか満足気😼
自分の通り道に邪魔なものがあれば落とす。
何ともストレートです🫠
飼い主の気を引きたいとき
人間にとっては困った行動。
いたずら・問題行動なのでしょうか?
行動をよく観察してみると、決まったタイミングですることが多いように思います。
- 家族全員で食事をしているとき
- 勉強・仕事をしているとき
- テレビに没頭しているとき など
決まって「今はやめてよ〜っ!」というタイミングなのは、かまってほしい気持ちの表れのようです。
ちょいちょいしたり、落ちた音に飼い主が反応して駆け寄ってきたことを猫ちゃんは学習し、「注目を集める方法」としてやっているようです。
そう思うとこちらがイライラしてしまっては猫ちゃんが可哀想ですよね😿
筆者宅の猫ちゃんはうさぎさんの毛でできた猫じゃらしが3度の飯より大好きです❤
夢中で遊んでいたかと思うと、咥えてシンクの中にポトッ。

何してんの?!濡れるし、自分で取れないんだから遊べなくなるじゃん‼️
理解しがたいこの謎行動…不思議に思っていましたが、必ず誰かが文句を言いながらも取ってくれることを学習して、「取って遊べ」「一緒に遊べ」ということなんだと気づきました。
注意を引くためにやっていると思うともっと遊んであげなきゃと反省します😖
狩猟本能の名残
猫ちゃんはもともとハンターです。
獲物を前足でちょいちょいと転がしたり、動きを観察して仕留める習性があります。
その本能が顔を出し、机の上のペンや小物を「獲物」に見立てて遊ぶのです。
特に小さい物、転がりやすい物、音が鳴る物は猫にとって最高の「疑似獲物」になります。
【獲物一覧】
- 鉛筆
- ペン
- 消しゴム
- 文房具全般
- リモコン
- ペットボトルのフタ
- ティッシュボックス
- コップ
- クシ
- 花瓶
- メイク道具 等
許容できるものと、決して許容できないものがありますよね🫣
でも「本能」と言われてしまうと人間側が工夫する他ありません😑
ストレスや退屈からの行動
猫ちゃんはとてもストレスに弱い動物です。
環境の変化や運動不足で、ストレスを感じることがあります。
「なんとなく退屈😿」
「イライラする😾」
という気持ちを発散させるために、とりあえず目の前の物を落としてみるのです。
この場合は単なるいたずらと片付けるのではなく、ストレスを抱えているサインを疑い、放置せずにはやめに対処してあげましょう。
エスカレートするとさまざまな問題行動に繋がるかもしれません。
【猫ちゃんの問題行動】
- わざとトイレ以外で排泄する
- 物を壊す
- 過度な毛づくろいによる脱毛や舐め壊し
- 自傷行為(尻尾を噛む)
- 同居動物とケンカする 等
病院に勤めていたとき、自分の尻尾を噛んでしまう白猫ちゃんが来院しました。
その猫ちゃんは飼い主さんがお仕事を始めたのをきっかけに自傷行為をするようになったそうです。
何度傷を治療しても噛んでしまい、最終的には自分で尻尾を噛みちぎってしまったのです😱
猫ちゃんは人が思ってる以上に繊細です。
環境の変化など、ストレスになりそうな出来事があるときはいつもよりも猫ちゃんの様子を注意深く観察し、異変があればはやめに対処してあげましょう。
猫が物を落とす行動の危険性
誤食やケガのリスク
猫ちゃんが物を落とす行動は一見かわいらしく見えますが、危険を伴う場合があります。
特に注意したいのが 誤食やケガのリスク です。
テーブルの上に置いていたボールペンのキャップや小さなアクセサリーなどを落とした拍子に、興味本位で飛びついた猫ちゃんがじゃれているうちに誤って飲み込んでしまうことがあります。
特に猫ちゃんの舌はザラザラしているため、ペロペロ舐めているつもりがどんどん奥に入ってしまって吐き出せずに飲み込まざるを得なくなることがあります。
リボンや紐などがよくある例です。
異物誤食は腸閉塞や窒息を引き起こす危険があり、動物病院での緊急手術が必要になることもしばしば。
勤めていた病院で、猫ちゃんの異物誤食の診察で多かったのは、ひも類です。
お裁縫が趣味のSさん宅の猫ちゃんは裁縫道具からちょいちょいと糸玉を転がして遊ぶのが大好きでよく遊んでいました。
しかし、ある日ペロペロと舐めているうちに糸がどんどん喉の奥へ。
麻酔をかけて処置をすることになりました。
度々同じ事を繰り返してしまったその猫ちゃんは糸に縫い針が付いたまま飲み込んだこともありました⚡
ひも状異物や尖ったものはとても危険なため、緊急手術になることがしばしばあります。
「まさか飲むなんて」
そんなちょっとした油断が危険な事態を招くことがあります。
また、落とした物がガラス製品や陶器の場合、割れた破片で猫自身が肉球を切ってしまうこともあります。
肉球の外傷は完治までに時間がかかり、家での管理も大変です。
飼い主が片づける際にケガをしてしまう可能性もあります。
猫ちゃんが上がれる場所にワレモノや飲み込んでしまう可能性のある物はしっかりとしまっておきましょう。
家具や家電を壊す可能性
さらに、猫ちゃんが物を落とすことで 家具や家電を壊すリスク も考えられます。
リモコンやスマホなどをテーブルから落として破損することも珍しくありません。
友人宅では猫ちゃんがテレビを落として壊したそうです🫣
また、観葉植物の鉢を落とすと土が散乱するだけでなく、陶器鉢が割れて床や家具に傷がつくこともあります。
さらに、観葉植物の中には猫ちゃんにとって有害な種類もあり、興味本位でかじって中毒を起こす危険もあります。
加えて、猫ちゃんがキッチンカウンターに上がり、調理器具や食材を落とすこともあります。
コロコロ転がるたまごは、恰好の獲物です。何度狙われたことか…😖
包丁やガラス容器などが関わると非常に危険で、火を使っている最中であれば火傷や火事につながるリスクさえあります。
猫ちゃんに悪気がなくても、代償が大き過ぎますよね😱
猫が物を落とすのをやめさせる方法
物を置かない・環境を整える
最もシンプルで確実な対策は
「猫ちゃんが届くところに物を置かないこと」です。
猫ちゃんは叱ってもなんのことだか理解しません。(できません、というよりも、しませんw)
お互いのために、飼い主側が譲歩し、壊されて困るものは出しておかない。
出していて壊されたら、出しておいた方が悪い…😵💫と受け入れるしかありません🫠
観葉植物や割れやすい物は特に注意し、猫ちゃんが入らない部屋などに移動するのが安心です。
筆者宅ではリビングに置いていた観葉植物をすべて別室に移動しました。
倒されて穴掘りされて大変でした😭
遊びや運動で発散させる
物を落とす原因が退屈やストレスの場合、十分な遊びや運動を取り入れることが効果的です。
- 猫じゃらしやボールで1日10〜15分遊ぶ
- キャットタワーや爪とぎを設置する
- 知育トイや自動おもちゃを活用する
こうした工夫でエネルギーを発散させれば、物を落とす頻度は減っていくと思います。
叱る?無視する?正しい対応とは
猫ちゃんが物を落とすたびに「ダメ!」と大きな声を出すと、かえって「反応してくれる😸」と学習し、逆効果になることもあります。
筆者宅ではまさにこれでした😱
基本は「無視」か「環境改善」。
どうしても危険な場合は低い声で短く注意し、その場から猫ちゃんをそっと離す程度にしましょう。
まとめ:猫が物を落とす理由と上手な付き合い方
猫ちゃんが物を落とす行動は、単なるイタズラではなく、
- 好奇心
- 飼い主へのアピール
- 狩猟本能
- ストレス
- 不満
といった心理が背景にあります。
「またか」と諦めるのではなく、安全のために環境を整えた上で、猫ちゃんの気持ちを理解するよう心がけることが大切です。
机や棚に物を置かない工夫や、遊びや運動でストレスを解消させる工夫をすれば、困った行動は自然と減っていくでしょう。
また、ただ叱るのではなく、猫ちゃんの気持ちをくみ取り、適切に対応することが、信頼関係を深めることに繋がります。
行動の裏にある心理を知ることで、猫ちゃんとの生活をもっと楽しめるようになるはずです。
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