はじめての動物病院用語解説〜飼い主さんが知っておきたい基本ワード

動物病院関連

動物病院で使われる用語は初めての方には難しく感じられるかもしれません。

ですが、基本的な用語の意味を知ることで、今までよりも獣医さんや看護師さんからの説明がすんなり入ってくるようになりますよ。

本記事では元動物看護師の経験から飼い主さん向けにわかりやすく用語を解説し、安心して通院できるお手伝いをします。

動物病院でよく聞く用語って?

よく耳にするけど…実際よくわからない用語

触診しょくしん:体を手で触って、しこりや痛み、臓器の腫れなどを調べる方法。便や尿の溜まり具合も確認できます。
皮下点滴ひかてんてき皮下補液ひかほえき:皮膚の下(主に首の後ろ)に針を刺し、点滴液や注射液を注入し、時間をかけて吸収させる治療方法。あらゆる場面で実施します。
CRPシーアールピー:血液中の炎症の程度を見る検査。高いとどこかに異常があるサイン。
レントゲン:X線で体の中を写す検査。主に骨折や内臓の腫れなどのチェックに用いられる。尿石や異物誤食の際にも使われる。※骨などの固いもの→白、気体・液体→黒く写る。
エコー超音波で体の中をリアルタイムで確認できる。心臓の弁や血流まで確認できる。お腹の中のしこりの大きさや深さを計り、針を刺す際にも役立つ。※液体→黒、実質→グレー、骨→白く映る。
CTレントゲンと同様、X線で体の中を写す検査。細かく何枚も写し、全体像を掴むのに役立つ。※レントゲンでは写らない、ヘルニアの診断に用いられる。※要麻酔。【検査自体は数秒〜数分】
MRI強力な磁石と電波であらゆる方向から撮影し、立体的に画像化する検査。※脳や血管の走行まで確認できる。※要麻酔。【検査所要時間は1時間以上要することも】
ネブライザー:鼻水や痰で呼吸がしづらいときなどに密閉したケージの中に薬剤を蒸気にしたものを充満させてしばらくその中で過ごしてもらう処置。【所要時間30分程】
摘便(てきべん)→肛門に指を入れて便を掻き出す処置。便秘や、事故の後遺症等でうまく排便ができない場合、数日置きにすることも。※苦痛を伴う処置ですが無麻酔ですることがほとんど。
直腸検査(直検)(ちょっけん)→肛門に指を入れて直腸に異物やしこり、圧迫がないかなどを調べる検査 ※無麻酔
留置(りゅうち)→点滴を流す針を血管に入れたままにしばらくすること。通院点滴の場合は抜かずにそのまま針を入れたまま帰宅することも。 ※毎日入れ直すと血管が潰れて点滴ができなくなってしまうため。

意味がわかるだけで、不安が減ったり、納得感が増したりするので安心です。

※基本的に麻酔が必要な検査はCT、MRIくらいで、ほとんどの検査は無麻酔で行います。(肝生検などを除く)

お薬や注射でよく使われる言葉

動物病院では、診察のあとに「お薬」や「注射」の説明を受ける機会が多いですよね。

でも聞き慣れないものばかりで頭に入ってこない…そんな経験はありませんか?

ここでは、飼い主さんが説明中によく耳にする用語を中心に、意味や注意点をやさしく解説します。

【よくある薬の種類とその意味】

抗生剤(こうせいざい)→ 細菌感染を抑える薬。飲み薬・注射・外用薬など種類が豊富。→ よく使われる薬名例:バイトリル、コンベニア(注射)、アンピシリン
消炎剤(しょうえんざい)→ 炎症を抑える薬の総称。痛み止めも含まれます。
 → NSAIDs(非ステロイド系)やステロイド系に分けられます。
ステロイド→ 強い消炎作用がある薬。アレルギーや自己免疫疾患の治療でよく使われます。
→ ⚠使用方法は必ず指示に従ってくださいね。
制吐剤(せいとざい)
 → 吐き気を止める薬。
 → セレニアなどが有名。
駆虫薬(くちゅうやく)
→ お腹の虫(寄生虫)やノミ・ダニを駆除する薬。フィラリア予防薬も含まれる。
→ ミルベマイシン、ブロードラインなど製品名で呼ばれることも。
去痰薬(きょたんやく)→たんを排出しやすくする薬 ※ネブライザーと併用することも。

【注射・点滴でよく出てくる言葉】

皮下点滴(ひかてんてき)
→ 皮膚の下に水分や薬を入れてゆっくり吸収させる治療。脱水や腎臓病に多く使われます。→痛みが少ないため家庭で打つことも。
筋肉注射(きんにくちゅうしゃ)/皮下注射(ひかちゅうしゃ)
→ 注射方法の違い。薬によって使い分けられます。
コンベニア
→ 一度の注射で約2週間効く抗生剤。内服薬が困難な場合、とても便利。
インターフェロン→免疫を高める注射。猫ちゃんの風邪の治療によく用いられる。点眼薬や点鼻薬に混ぜて使用することも。少し高額

【知っておくと安心なポイント】

同じ薬でも、飲み薬・注射・点滴などいろんな形状があります。

お薬の説明書がもらえる場合は、記録として保管しておくのがおすすめです。

飼い主さんに知っておいてほしいこと

  • わからない言葉が出てきたら、遠慮なく質問してOKです。
  • 話を録音したり、メモするのも◎。緊張で内容を忘れてしまうのはよくあることです。(※録音する場合は一言添えると良いでしょう。)

処方されたときにチェックしたいポイント

  • 用法・用量:必ず決められた回数・量を守りましょう。⚠自己判断で止めるのはNG。
  • 保存方法:冷蔵保存が必要な薬もあります。受け取るときに確認を。
  • 与え方:粉薬や液体薬、チュアブルタイプ(おやつ風)など種類があります。※飲ませ方のコツを聞くと安心。
  • 副作用の有無:嘔吐・下痢・元気がなくなるなど、異変が出たらすぐに病院へ連絡しましょう。

意外と知らない点◯薬

  • 薬(てんがんやく)
  • 薬(てんやく)
  • 薬(てんやく)

字で見ると意味がわかりやすいけれど耳で聞いたり、口に出したりすると意外と戸惑うこの3種類。

字を見て確認しておくとなんだかすんなり入ってきませんか😊

尿検査と便検査は実際何見てるの?

尿検査では、膀胱炎・腎臓病・糖尿病などの兆候をチェックできます。

◎尿検査の項目に「尿比重」というものがあります。これは尿の濃さを見るもので、腎臓病や尿石症の診断に利用されます。

便検査では、消化の状態や寄生虫の有無を確認。

※「トイレの様子がおかしい」と思ったら、採尿・採便して当日中に持っていくと診断がスムーズです。

※尿は時間が立つと菌の量が増えてしまい、正しい検査結果が出ないことも。冷蔵保存して持参しましょう。

知っておきたい診療明細のポイント

◎料金の基準は動物病院ごとに異なります。
自由診療なので、同じ処置でも金額に差がある場合があります。

◎初診料は初めて病院を受診した日だけにかかるものではありません。※「初めてその病気・症状で受診した場合」=初診料として計算されます。

まとめ

飼い主さんが知っておくと安心な理由

  • 病気や治療内容を正しく理解しやすくなる
    説明を受けた内容と書面がつながることで、「なるほど、そういうことだったんだ」と納得感が増します。

  • 不安や疑問をすぐに解消できる
    動物病院でよく使われる用語を事前に知っていれば、説明を聞くときにも理解がスムーズです。

  • ペットとの信頼関係づくりにも役立つ
    飼い主さんが積極的に医療への理解を深めようとする姿勢は、動物病院側から見ても信頼につながります。
    結果として、よりよい医療連携や相談ができるようになります。

わからない用語に出会ったら

動物医療の世界には、人間と同じようにたくさんの専門用語があります。

すべてを覚える必要はありませんが、「よく目にする言葉」や「処方内容」などを少しずつ理解することで、より安心して通院・治療を進めることができるようになります。

そしてわからないことは遠慮せずに聞いてみましょう。丁寧に教えてくれるはずですよ。

信頼できるかかりつけ医の見つけ方はこちら《猫ちゃんバージョン》

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