通院に欠かせないキャリーケース。
- 種類がたくさんあってどれを買ったらいいかわからない!
- 大きさは?
- デザインだけで決めてもいい?
- 何度も買い替えるものではないから慎重に選びたい!
そんなお悩みに、20年間動物病院でさまざまなタイプのキャリーケースを手にしてきた筆者が、
- 猫ちゃん目線
- 飼い主さん目線
- 動物病院目線
で使用感や安全性を比較し、【本当におすすめするキャリーケース】の選び方をご紹介します。
ぜひキャリーケース選びの参考にしてくださいね。
キャリーケース選びの基本知識
キャリーケースの種類

キャリーケースにはさまざまなタイプがあります。
デザイン性だけでなく、機能性も重視して選びましょう。
一番のおすすめ!【ハードタイプ】

【メリット】
- 頑丈で衝撃に強い ◎
- 丸洗いができるので衛生的 ◎
- 急な粗相にもさっと拭いて対応可 ◎
- 安定感があり、安心・安全 ◎
- 上半分が外せるなど、大きく開けられるタイプは診察に役立つ ◎
- 猫ちゃんが自ら入りやすい=出しやすい ◎
【デメリット】
- 重くてかさばる △
- 衝撃を受けたときの音の刺激が大きい △
- 他タイプと比べて価格が高め △
軽量でデザイン豊富【ソフトタイプ】

【メリット】
- 軽量でバッグ感覚で使える ◎
- デザインが豊富 ◯
- 通気性がいい ◎
- デザインによっては収納性に優れている ◯
【デメリット】
- 猫ちゃんは通院の際、不安と緊張で粗相をしてしまう場合も。その場合の対応が大変 △
- 扉部分を開いたままキープできない形状のものは、猫ちゃんが嫌がる場合、入れる&閉めるのに手こずる ✖
- ファスナーがわずらわしく感じる場面も △
- 万が一、大型犬が引っ掻いたり、覆いかぶさった場合、中の猫ちゃんはトラウマ級の恐怖😿守られている感は重要! ✖
飼い主の利便性抜群【リュック型】

【メリット】
- 両手が自由になる ◎
- 長時間の使用に便利 ◎
- 猫ちゃんからの眺めは良好 ◯
【デメリット】
- 粗相をしてしまった際、素材によっては飼い主さんの衣服に影響が及んでしまうことも😱 △
- 猫ちゃんが丸見えになってしまうデザインのものはストレスになることも。 △
病院スタッフ非推奨【スリング型】

【メリット】
- 飼い主さんは体にフィットするため、疲れにくい ◎
- 密着感があり、安心感がありそう ◯
- 飼い主目線では快適度が高い ◯
【デメリット】
- 中で猫ちゃんが身動きが取れない✖
- 骨格に負担がかかる ✖
- 粗相したときに猫ちゃんも飼い主さんも逃れられない ✖
- とにかく入れづらい ✖
- 出しづらい ✖
- 獣医師・看護師にとにかく不評 ✖
さまざまなタイプのキャリーケースを扱う中で、スリングはダントツで病院スタッフからの評判が悪かったです。
飼い主目線だけでいえば密着感があり、軽く、快適度が高そうですが、出し入れがしづらく、猫ちゃんの協力がない場合、とても扱いづらく、猫ちゃんへのストレスも大きくなりがち。
そして身動きが取れないため、関節や骨格に疾患がある場合、負担になることもあるため、注意が必要です。
スリングタイプは病院目線からも、猫ちゃん目線からも、おすすめできません。
サイズの選び方

猫ちゃんにとってキャリーケースは移動する部屋のようなもの。
窮屈すぎればストレスになり、逆に広すぎると不安になったり、移動中に中で滑ってしまう危険もあります。
理想のサイズは「猫ちゃんが中で方向転換ができて、伏せてリラックスができる広さ」です。
一般的に猫ちゃんの体長(鼻先からしっぽの付け根まで)のおよそ1.5倍程の奥行きがあると快適とされています。
猫ちゃんは、わんちゃんほど種類などによる体格差がないため、6kg以下の猫ちゃんであれば一般的な猫ちゃん用のサイズ(レギュラーサイズのペットシーツが1枚広げて敷ける広さ)でよいでしょう。
大柄な猫ちゃんの場合、総重量が大きくなってしまうので、軽量で持ち運びがしやすいものを選びましょう。
車輪が付いていて、コロコロ引きずるタイプは猫ちゃんには刺激が強いのでよっぽどの理由がない限りは避けたほうがいいでしょう。
出し入れがスムーズ=ストレス軽減
動物病院での猫ちゃんのストレスを軽減させるためには、スムーズに出し入れできるかどうかが重要です。
奥行きが深すぎたり、入り口が狭すぎるキャリーケースでは猫ちゃんを無理矢理引っ張り出すことになってしまい、猫ちゃんへのストレスが大きくなります。
◎奥行きは猫ちゃんの体長×1.5
◎扉の大きさは、猫ちゃんの身幅×2以上
出し入れのしやすさを考慮して選ぶと猫ちゃんのストレス軽減にも繋がりますよ。
病院側がおすすめするポイント
上が大きく開くタイプ

診察の内容によっては猫ちゃんを診察台の上に出すことなく、キャリーの中に入ったままで済む場合もあり、猫ちゃんに最低限のストレスで診察することができ、便利です。
ハードタイプの、上部が取り外せるタイプは使い勝手がよく、おすすめです。
しかし、中には取り外しにドライバーが必要なものがあり、正直驚きました!
それは実用的ではないので、簡単に取り外しができ、簡単に元に戻せるものを選びましょう。
扉が2カ所以上ある

筆者が使用しているのがこのタイプです。
上と前方に扉があると出すときも入れるときもとても使い勝手が良いのでおすすめです。
扉の数が多く、一見便利そうに思えるキャリーケースも、一つ一つの扉が小さいと、とても出しづらいので一つ一つの扉の大きさを確認しましょう。
扉を開けなくても中の様子が確認できる

側面や上部が透明orメッシュで、扉を開けなくても中の様子が確認できると安心・安全です。
猫ちゃんの様子を見ようと、扉を開けた途端、飛び出してしまうことがあるからです。
実際、診察後に病院の外で逃がしてしまう飼い主さんが時々いらっしゃいました。
⚠診察室以外でケージを開けるのは大変危険です。
のぞき窓があるとその心配がなく、安心・安全です。
大きすぎない
レギュラーサイズのペットシーツが開いて1枚敷けるくらいの大きさが一般的で使いやすいです。
猫ちゃん用で販売されているキャリーケースは大抵この大きさです。
5kgほどの猫ちゃんの通院用でしたら、このサイズで大丈夫です。
大柄な猫ちゃんの場合は、
- 頑丈
- ワイドサイズのペットシーツが広げられる大きさ
- できるだけ軽量なもの
以上のポイントをおさえて選びましょう。
もたつくキャリーはNG
キャリーケースに入るのを嫌がる猫ちゃんは多く、
「なかなかキャリーに入ってくれなくて連れて行くのが大変💦」
「一度入ったけどファスナーを閉めるときに飛び出ちゃった💦」
など、病院ではそのような相談を度々受けることがありました。
病院に行く気配に気づいた猫ちゃんはパニックになったり、逃げたり、飛び出したり、攻撃したりすることがあって大変です。
せっかく入るチャンスが巡ってきても、キャリーがもたついてしまうと、なかなか思うように猫ちゃんを連れ出せません。
自立しない、くしゃっとしてしまうタイプは猫ちゃん自ら入りづらい上に、入れづらいのでおすすめしません。
ファスナーももたついてしまうので、嫌がる猫ちゃん用には向きません。
まとめ

猫ちゃんのキャリーケース選びは
「猫ちゃんが安心・安全に過ごせるか」と
「飼い主や動物病院スタッフが扱いやすいか」
の両方を考慮して選ぶことをおすすめします。
猫ちゃんのキャリーケース選びは、以下のポイントをチェックしましょう。
- ハードタイプ推奨
- 扉が2個以上(上と前方が◎)
- 扉をあけずに中の様子が確認できる、覗き窓や格子がある
- 構造がシンプル(上部が簡単に取り外せて、簡単に戻せるものがおすすめ◎
以上の点を踏まえて使いやすいものを選んでくださいね。
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